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January 28, 2010

カストロール1号 本番の巻

まいど。

終わった、やっと終わった。
今回はマジで半年以上休み無しだった。
楽しい事やってるとはいえ、さすがに後半はキツかった、、、

とりあえず、お披露目イベントは丸く収まったんだけど、当日のテンパり具合は想像を絶した。

今回はひさびさに長いよ。




前日までの調整を終えて一路赤坂サカスへ。

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積載車に載せるとカッコいいな、、、

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ドナドナ。
無事を祈る。

年明けてからは、電気関連とか体の温まりにくい作業も多く、やっと寒さから開放される、、、と思いきや。
現場のサカスは、スケートリンクとのこと。

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氷の上に無理やり人工芝を敷き詰めるという素敵な極寒仕様。
なんの罰ゲームだ。

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ゴールもできた。
テンション上るな。
入り時間が23:30、そこから1号を搬入して、入場リハ、、と。
寝る暇ないじゃん、、、

ここでは、1号を充電できる電源がないので、バッテリー負担の大きそうな所はとにかく人力作業。

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狭い。
すぐ近くには、地下鉄の入り口があって、ここに落としたら大変な事になるな、、、と、緊張感高まる。
現場の皆に手伝ってもらって、無事に氷上へ。

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さて、1号の待機場所へ、という事で、特設スロープを皆でよいしょぉ!

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割れた。

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スロープ割れた。
1号のタイヤ埋まった。

またも人力で脱出するも、スロープには穴ボッコリ。
現場真っ青。
徹夜でスロープ補修するので、、1号の収納、入場リハは本番当日へ持ち越し。
夜中のうちにこっそり試射して、安心したかったのに、、、

そして迎えた本番当日。

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前夜の煽りも受けて、リハまでバタバタ。
気付ば頭上の400インチモニターの紹介映像で自分が大写しになってて、嫌でも緊張する。

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カストロールジャパンのポッスルズ会長が来たので、挨拶してみた。

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意外と緊張するタチらしいと聞いていたので、「緊張してますか?」と、緊張をほぐすトークを仕掛けてみたところ、
「200キロダセナカッタラ、タイヘンデスヨ」と軽く脅された。
なぜだ。

リハは、ボール置き係の頭をカチ割りそうになった事、試射寸前でガス欠になった事を除いて、問題無し。

本番を待つ。

本番の手順はこんな感じ。
○ カウントダウンが終了したら、目の前の紙を破って颯爽と登場。
(スロープがまた壊れたらヤバイ)

○ 定位置に止まって、キューが来たら立ち上がる。
(対策はあるけど、今まで2回程バルブに信号が行かないトラブルがあったので、本番で出たら間違いなくアセる)

○ そして蹴る。
(エンジン始動できなかったらヤバイ、ブレーキがうまく効かなかったらヤバイ、ボール置き係を蹴ったらヤバイ)

こんな感じで、動作毎に心配事が。
とにかく、一球蹴ってしまえば、緊張もなくなるだろう、、、と、言い聞かせながらのチェック。
リハ中なので、軽くエンジン動かす。
始動を確認。

準備は整った。

舞台裏に周り、1号に乗り込む。
最終の電気系統チェックOK.
スピーカーから、カウントダウンが始まる。
30、29、28、、、、
緊張高まりすぎ。

3、2、1 ゼロ~
司会のおねーちゃんの声と共にキューが出て、走り出す。
アクセルを引く。

動かない?

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーと思いつつ、アクセル全開。
周りからは「出て!出て!」という声。
フォークリストのモニタみたら、見たことのないエラーメッセージ。

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スピーカーからは、「ゼロー、ゼロー、ゼロー」と何回も響く、カウントゼロの声。
でも動かない。

どーする俺、こんなトラブルは出たことなかった、電源関係?電源全部死んだ?仕切り直すか?とにかく出るか!?
猛烈な速さで考えた末の答えは、「押せ!!!!!!」

チームは俺含めて三人、1号推定2トン以上動くか?
押した。

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渾身の力で押した。
罵りあっていた三人が初めて力を合わせた、、、とか感慨に耽る暇もなく、とにかく押した。

なにかに乗り上げる感触と共に、1号押し出した。
この時点では、カストロール1号というよりは、人力1号。

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どのタイミングで、1号に飛び乗ったのか覚えてない、とりあえず出れたという安堵と共に、、、、出たはいいが、原因が電源だとしたら確実に立ち上がれないという、不安のセカンドウェーブがやってきた。

目の前には報道陣100人超えと聞いている。
ここで、動かなければ針の筵、まさに罰ゲーム、、、、、

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ポッスルズ会長はラグビー出身だとも聞く。
武闘派で売ってるはいえ、打撃系のオレには彼のタックルは切れないだろう。
あっさり寝かされ、レスナーばりの怒りのパウンドを受ける絵が浮かんだ。

むしろここで気絶した方が楽だろうな、、、

この数分、ここ十年位で一番テンパった。
そんな心境もよそに、イベントは進行。

目の前に前園さんと、藤本美貴なる女の子が登場。
若干、1号の停止位置が前にずれたので、思ったよりも近い。

台本を思い出すに、ここでゾノと、ミキティのシュートを見てから、オレが立ち上がる段取りだった。
とにかく、この空いた時間を使って、電源が生きているか?走行はできるか?立ち上がれるか?を、こっそり確認することにした。

まずは、ちょっと1号をバックさせて、定位置に戻ろう。
そう思いつつ、チームにインカムでその旨送信。
インカム調子悪すぎて、ほとんど会話になってない。

独断で動く事にした。
動きますように、、、、、、、、、、、

しかし、かなり自分がテンパっている&マシンの故障とかで、バックするつもりで、前に暴走したら、確実に目の前のミキティとゾノティを轢く。

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(その時の1号搭載のカメラ映像)

ここでやらかしたら、作家人生はおろか、俺自身も終わる、、と握るアクセルブルブル。

動いた、、、、、、、、

そして、会場のモニターにライブ映像が出てる事を確認。
1号が映るタイミングを狙って、油圧をちょっと動かしてみる。
動作確認。
動いた、、、、、、、、

不安氷解。
なんだこの安堵感。
後は適当に蹴れば、この半年以上の仕事が終わる。
疲れた、、、、、、、

そうする内に、ミキティがゴールにキック。
女子の平均は4~50キロと聞いていたけど、71キロ!?
やたらフォームも綺麗だった。
凄いなこの子、、、、

次。
思いがけずミキティの蹴りがすごかったからか、どう見てもゾノティもテンパって見える。
親近感湧いた。
テンパる人みんな友達。
案の定、一発目ゴール外した。

次オレの番。

油圧は動く事確認してるので、ふんふ~んと立ち上がる。

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会場ちょっとどよめく。
なかなか気分いいな。
そして、ボールセットOK。
チームからエンジンスタートの合図。

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これでうまく蹴れれば、すべて終了だ、、、
いくぜ200キロ越え。

ん?

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ええ?

エンジンかからないじゃないすか、、、、、

この時の衝撃はすごかった。
純白のメット脱いでも同じくらい顔面蒼白だったと思う。

二回目セル回す。
かからない、、、、
心なしかバッテリー弱くなった。
ぁぁ、次でかからなければ、オレ終了だぁ、、、

一か八か、アクセル全開でセルを回す。

オレ的には随分長い間セルを回した気がするけど、ついにエンジンかかった、、、、、
今、こうして書いていても吐き気がする。
ここ数日、近くでジムニーのセル音聞くと同じく吐き気がする。
完全にPTSDだ。

あとはとにかく蹴った。
ここでも回転計が動かなくなるトラブルがでて、完全にオレの勘によるショット。
リハでは210キロ超えてたんだけど、残念ながら206キロにて終了。

いやはや、、、本当に長かった、、、、、、、

スタートで動かなかったのは、リハには無かった段差が作られていて、そこにタイヤがハマりこんでいた為。
エラーはモーターに不可がかかり過ぎた為の警告だったらしい。

エンジンがかからなかったのは、リハ中に試しにエンジンかけたのが原因らしい。
リハ中だから、ってことでエンジンの始動を確認してすぐに切った。
それが、燃圧が高い状態でプラグの火を止めたので、燃焼室内が燃料過多=プラグがカブった状態になっていたらしい。

リハで問題無かった回転計が動かなかったのは、本番時に真上に来た太陽の光でセンサがレーザーを検出出来なかった為。

後から考えれば全部些細な事の集まり。
対処だって、冷静ならばすぐにできる。
けれどあの場では、大問題。
いやはや、イベントは恐ろしい、、、、

いつものことながら、作るのは一人でも、沢山の人が助けてくれてやっと人に見せられる。
今回はCFRPの脚や塗装、油圧バルブの部品製作、色々な人が協力してくれた。
あと、今回の代理店勤務ながら、メディアアートをやってたというだけで、1号のカメラや姿勢モニター制御等々、未経験な事も含めて実現してくれた石塚くん、このプロジェクトにオレを抜擢、そしてマネージ関連でサポートしつつ、職人的なボール置きをして見事ゴールを決めた、カイブツ社の木谷くんには本当に感謝。

greens

改めて、サイトの方で1号の製作記を書こうと思っているけど、、、
とりあえず、一旦締めを。

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胸を張って言おう。

なんでも作るけど、もうイベントは嫌だ。

kogoro


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