珍しく旅行してきた その二
まいど。
前回からの続き。
結構長いす。
船だー
これにのって池島という、割りと最近廃坑になった石炭鉱山の島へ行く。
散々チキンと奥さんにバカにさたが、前日に酔い止めも買っておいた。
抜かりはない。
船結構速いのね。
波も無く、薬の安心感もあり余裕かまして楽しめた。
途中、テレビで我々ツアーが池島に行く旨を紹介するローカル放送流れてざわつく。
ブレブレだけどテレビ欄にものってるじゃないか。
そうこうしている内に第一の目的地、池島到着。
画像みたいな感じで、島の中にデカイ池があるので池島というらしく。
今は海とつながってるんだけど、昔は本当に池だった模様。
まずは廃坑になった炭鉱の見学なのだ。
空梅雨気味とはいえ、梅雨の真っ只中。
台風四号も発生しており、予報では今日明日共に曇り時々雨の予報は当日になっても変わらず。
曇りでも湿気が相当あって暑い、。
トロッコに乗って廃坑へ入る。
インディ・ジョーンズ的でなかなかいいな。
い、いい感じじゃないか、、。
見学ルートは地上から5Mあたりということで、とても涼しく快適。
但し、本当の石炭掘りは竪穴5~600m下がってから横に掘るとのことで、深さに比例して温度が上がり40度超えの過酷な環境だった模様。
電話とかいちいちかっこいい。
ダイアルマニアにはたまらないすな。
この電話がそうか確認していないけど、基本炭鉱は火気ご法度なのであらゆるものが防爆仕様。
掘削機もある。
構内の機械は動力関連、基本電気で水圧、空気圧駆動の模様。
火気も換気を考えてもエンジン使えないわけだねぇ。
油圧では無く水圧なの?と質問してみたら、やはりメンテナンスというかオイル駄々漏れになった時とかの始末を考えると水圧がベストの模様。
当然サビが問題になるので、水には添加剤を入れてつかってるらしい。
うちのアトリエもクラタスオイル駄々漏れになるので水にしたら掃除楽だろうな、、。
横穴のどんつき。
ハッパの為のダイナマイトの仕掛ける場所と順番まで解説。
いざというときに役に立ちそうな気がする。
万が一の火災や空気に問題が出た時には、この袋をかぶり、座って救助を待つ模様。
この袋にもアースが取られていて、静電気による火気対策ががっちり。
幸い、これは使われたことはないと言ってたような気がする。
炭鉱見学終了。
再びの湿気と暑さ、メガネの人全員曇りまくってた。
お昼は炭鉱弁当、オベント箱かわいいぞ。
この炭鉱、10年前の閉山ということで、周囲も廃墟という感じよりは人の感じがまだ残っている感じで凄く現実味がある。
案内をしてくれた炭鉱経験者でもあるガイドの人の話もとても面白い。
竪穴を自由落下?と思える速さで降りて行き、そこからガンガン掘り進む。
人の移動は坑内を走る、人用のベルトコンベアに座り(結構スピード早く、違うベルトに飛び移る”乗り換え”もあるらしい)、末期には末端まで10キロ、往復には数時間とかかかったらしい。
真っ暗な湿気と暑さの中、トイレも無い超過酷な仕事、、、。
本日の宿。
周囲4キロのけして大きくは無い島、現在唯一の宿泊施設。
早くも汗だくで、”結構ハードだねぇ、、”と皆。
一休みしつつ、外を見ると
テレビカメラもった人やらがおるがな。
別に自分を追ってるわけではないが、出待ち状態初めて見た。
廃坑から10年、現在の島人工は7000人から200人に減り、たくさんある団地など、ほとんど無人の廃墟。
どんな雰囲気なのか、、と、胸踊らせつつ、再度探索に出発。
が。
無人どころか、撮影クルーも交えて人口過密状態、。
人数的には島の人口一割超えてるじゃないか。。。
全然無人な感じがしないぞ、、。
とはいえ、廃墟といいつつ、建物の痛みもそれほどないのに人がさっぱり居ない風景は、やはり不思議な雰囲気。
遠くまで見える建物群、ほぼすべてが無人。
至る所で植物が侵食を始めてる。
かっこいいな、。
島で唯一の信号機。
本日のイベント会場である小学校の前にあるんだけど、教育用とのこと。
ここで小学生が初めて信号の渡り方を学ぶと聞き、軽くカルチャーショックを受ける。
やはり炭鉱の島、というのは特別な環境なんだな、。
小学校体育館にて、開田裕治氏ワークショップ&寺田克也氏ライブドローイングでの地元の小中学生との交流イベント。
我々クリエイターチーム20数名に対して、小中学生併せて7名という感じ。
先生と生徒の比率も圧倒的に先生が多く、授業もマンツーマン状態なので成績は凄くいいみたい。
寺田さんが事前打ち合わせにチャチャと描いたらしい絵。
黒板ごとほしい、、、。
「下書きすか?」と聞くと、「いや、今日絵描いてないから描きたくなって」とのこと。
なるほど、。
寺田さんスタート。
下書きもなく、いきなりマジックで描きだす。
時々、一歩離れて全体を眺めつつ、まったく迷いもなく、どんどん線が増えていく。
一時間足らずで、完成。
スゲェな、、。
同行のクリエイター陣と、これだけのスピード感で迷い無くかっこいい絵がかけるってことは、書く前に全部頭の中でできてるんだろうか、、、と、色々考える。
今回、なにが贅沢かって、この疑問を即効ご本人に聞けること!
聞いてみた。
「まず悟空書いて、こっち側が良い感じに空いたから、これ書いて~っていう感じで、書きながら考えてるよ」とのこと。
自分もスタイル的には似てるので分からないでもないけど、この短時間で構成しながら書くのか、、、と、ちょっと呆然。
凄いな、、と思いつつもやはり才能に嫉妬感、、。
絵が思い通りにかけてしまう、って本当にうらやましい。
かっけーな、寺田さん、、。
そして、見学再開。
炭鉱夫を地下数百メートルに下ろすエレベーターのような施設。
初めてのると、相当早く気圧の変化に体がついていかず、耳鳴りと頭痛がするとのこと。
この辺りで、暑さと疲労で皆ぐったり状態。
見学は体力も使うんだけど、しばし脳が取り入れた情報量を捌ききれ無くなるのか、すげー疲労感に襲われるのだ。
このまま山の上の施設を見学する予定だったのだけど、皆が暑さと疲労でぐったり状態。
この後は一旦宿に戻って、食事までの自由行動に変更となった。
宿のお風呂に行くか、はたまた銭湯にいくか、、、と思っていた矢先。
今回の池島ツアー仕切ってくれた小島さんが「倉田さん、ジブクレーンみたいって言ってたよね?今から行く?」とのお誘い。
重機は別腹、疲れてても大丈夫なので、行くと即答。
この小島さん、見学をプロデュース&体験をしている方で、以前にJFEでモニュメントを作ってる時に見学にきてくれたご縁があったり。
現在は池島に三年の任期で移り住み、池島広報的な仕事をされている。
またもこんな感じに死にかけている木谷を叩き起こしての追加見学強行。
石炭処理施設の一部。
一旦汗も引き、暑さも収まり、良い感じに風の吹いている、超気持ちい散歩状態。
今日初めての数人での別行動。
ほんとに人も車も走ってこない静かな空間なんだ、、と実感。
この感じは、、、いい。
人が作った道があって、歩道もあって、だけど人が全然いなくて自然の音しかしない。
一週間位、ここでボーっと過ごしてみたい。
放置されたジブクレーン。
デカイ。
よく見るとコクピットが落ちかけてる。
台風でやられたらしい。
島の台風は相当過酷なんだろうな。
帰り道、日が落ちてくる。
振り返れば海。
こんな風景が混在する散歩はなかなかないな、、。
宿に帰ると、宴の準備が。
ビールの前にお風呂はいらな!!と、一人焦るも宿のお風呂には”ただいま女湯”の札、、、、。
銭湯があると聞くが、そもそも極度の方向音痴のオレに行けるのであろうか。
地図をもらって外にでるも、真っ暗。
道があり、建物が点在してもここはほぼ廃墟、街頭もなし、、。
昼間の道を思い出し、無人の団地街を抜ける、、が。
日本が舞台のホラーゲームとあまりに雰囲気が似すぎて怖い、、。
まわりには建物があっても、植物侵食状態。
道があってるか超不安だけど、人の気配がまったくないのでたしかめようもない、、。。
天気も崩れつつあり、生暖かい風が結構な強さで吹いていて、とにかく焦る。
なんとなく見覚えある道にでて、薄い銭湯の明かりを見つけた時の安堵感ったらなかった。
それこそリアル脱出ゲーム的な、謎と解いた!的な高揚感を感じてる自分にちょっと笑ってしまった。
そして、ガラっと戸をあけると、ふつーの銭湯、番台におばちゃんがふつーに座ってる、この異世界感。
なんだこれは。
このギャップは半端ないな。
石鹸とシャンプー売ってるかな、、、と、思いつつ、入浴料の100円を払い(安!)、石鹸はやはり売ってなかったものの、おばちゃん「ちょっとまってな!」と、石鹸とシャンプーを貸してくれた。
男湯オレだけの貸切状態。
食事時間もギリギリだったので、ささっと出ておばちゃんに石鹸返しがてらしばし談笑。
明日は軍艦島行くんだ、と言うと「この風じゃ、海荒れてむりじゃないかな、、、」と、ちょっと残念な話。
急ぎ気味で小走りに帰るとすでに宴スタンバイ、つーか、乾杯オレ待ち、、、ゴメン皆、、。
そして宴もたけなわ、グッタリと部屋に帰る人、飲み足りねぇと言う人、、。
オレは明日の軍艦島へ行く船に二日酔いで乗る、というのが最悪な状況であると確信をしていたので、寝るか、、とも思いつつ。
先ほどのおばちゃんの話では、そもそも軍艦島にはいけない可能性も高く、今日を楽しむ方が優先なのでは、、、と、深刻な選択に迫られる。
”大丈夫、明日の船は大きな船で来てくれるし、船長超うまいから今日よりも揺れるはずが無い”
という言葉に背を押されて、二次会に参戦。
7人程の精鋭で、この島の歓楽街だったところに唯一現存するスナックへ向かうことに。
またも闇のなか、植物に覆われたコンクリの階段を降りた先の明かりのない歓楽街へ向かう。
当時、島の中ではお金の使い先もあまり無いために歓楽街は相当賑わっていたらしい。
お酒の消費量も群を抜くもので、炭鉱夫は稼ぎが良かったにもかかわらず、酒で借金作る猛者が結構居たとのこと。
またも、暗闇にうっすら明かりの先ほどのパターン。
ドアを開けると、、真っ赤。
ベルベットな店内、今度の異世界感にはなんか見覚えが、、。
ツインピークスだ、、、、。
まさか日本国内でデビット・リンチを感じようとは。
酔もまわり、もはや自分がどこに居るのかも定かじゃなくなりつつも、この感じは超面白い!!!
奇しくも先月40歳の誕生日を迎え、人生初のスナック体験。
完全に大人になってしまった気がした。
そんな2日目、池島体験が終了。
宿にもどり、床につくも興奮しすぎたのかさっぱり眠れず。
明朝の船、天気的には軍艦島上陸ほぼ絶望的、船酔い的には酒に寝不足がダブルで不安、、。
続く。
池島行ってみたい、、、という方はコチラの池島情報をどうぞー
小島さんのイカした炭鉱写真とかもあるっす。
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